再面白かんべェ上州弁

再面白かんべェ上州弁


完結編となる本書の特色としては、これまでの三冊での取り組み方に加えて、読者の意見や考え方、或いは寄せられた貴重な情報を積極的に取り込んでみた点にあると思う。
更には、地道に続けてきた上州弁の講演会からも、参加者の質疑応答などから新しい発見をすることも少なくはなかった。
このように上州弁の研究として自在な取り組みが可能だったのは、その基本路線が上州弁エッセイという極めて懐の深いやり方にあったことに原因があったように思われる。
従って、本シリーズは上州弁の研究書という側面より、研究を続けてきた結果として残されたフィールドワークノート、といった感じもなくはない。もちろん、新しいスタイルの方言エッセイ集、との自負もある。気付かれた人もいるかと思うが、文体やプロットなどには文学的テクニックを多用している。書き出しのスタイルも、15通りに変えるなど、飽きないで読んでいけるようさまざまな工夫を凝らした。
本書が類書にはないオモシロさに満ちているのは、以上のようなことが、音楽的に語るなら“フーガ”のように有機的に影響しあってのことだろうと考えている。

遠藤隆也 著  ISBN978-4-9900966-7-0 四六判/並製/本文288頁/定価1543円(本体1,429円)/2004年12月15日 初版第一刷


再面白かんべェ上州弁 目次

やる・あげる・くれる 
モウゾウスル&マックラサンベ 
とがツー現象 
ツグ日・ツグ朝・ツグ年 
「往ぬ」の七変化 
コガタナ 
暖飯器からの匂い 
嗚呼、脱脂粉乳 
ペッタン、ブッツケ、ブチ、パス、パア 
マジッポイ・マジッペエ 
オッツケ 
カルッパマ 
ヤキモチとオヤキ・ブチ 
コジョハン・コジュウハン・コジハン  
               ・オコエ   
ムラッてもカマンドク 
オヤス 
スイル 
ノーテンギ 
ショーシ 
イゴッタイ 
ノジキル
マドロッコシイ 
カシグ・カシキバ 
口にゃァ使われる 
キャダキャダ 
オーネ 
ウヌガデニ 
ウンジョウとウンゼェ 
マテ・マテジン・マテル 
コケ・コケズッポ 
ドロボタモチ 
「ハナル」と「ハナエル」 
ツノンデイロ 
マルク 
カナカナ 
風呂をタテル 
ルスンギョウ・ルスンギョの団子 
カテメシ   
舌づつみ
ジクナシ 
ザッペェ 
シ、ショ(ー)、シュ(ー)
ミラッセ&ミヤッセ 
オガンショ 
タワラッペーシ 
フクラマル 
ジョウヤとジョーヤ 
どんどん焼きと繭玉 
カギッツルシ・ヨコザ・コシモト・ヨリツキ   
                 ・キジリ
ナギル 
メッコのメバタキ 
キャーダ 
マキシンとトレアキ 
テンガとエンガ、マンノウとヨツゴ 
マンゴ(ウ)モン 
ムチューケーッテ 
アダジョッパイ 
イキガツク 
アカチンベロン 
ノテ 
シコウ(ー)・シコル 
テエ 
ジネエorジネー 
キラッシャイとヨラッセ 
クサル 
ヤマコナシとヤマダシ 
アッタラモン・アッタラコト 
続  アッタラモン・アッタラコト 
ヤマンメエとシラガダユウ 
ジョウゴとスイカン 
邑楽の「ネヨ」節 
カタバリッカ 
「エーラ」の語源 
テングラマングラとオマンダラ 
マンムキ
ヒネモンとトレアキ 
カゲノゾキ 
バヤックラ・ベーヤックラ
       ・ビャートリガチ 
ヒシテ 
鳥の鳴き声艶笑譚 
二つのオッカケル 
チョウズバ・ハバカリ・セッチン
           ・カミゴウカ 
キシャゴとナンゴ 
リョウル 
ハガヲショウ 
オカセギナンショ 
イマスデカ 
ヘンゲエル 
塩加減をみる 
シクタラカシ 
デンドウナカorドショウナカ 
ツノンギョウ 
フケル・フケッカエル 
モジッケエからメメヨシへ 
女やっつけ言葉 
サネ節からンサー・ンネー節へ 
アサッパカとヨーパカ 
テエチャー 
ホックリケエス・ホッキャース 
サザとザザ 
ショイコにオネル 
エンデル 
グレタモン 
キンタマとマラ 
ハチベの運転手 
左翼と右翼の共通項
旧東村(吾妻郡)の上州弁
イクラとイクジ
上州弁ならではの連語や言い廻し
グート